初期流産を何度も繰り返す場合(不育症など)や体外受精の反復不成功例では、免疫性の着床障害のことも考えておく必要があります。免疫性着床障害の原因としては、いくつか挙げられておりますが、当院では、治療、管理に直結する二つのグループについて検討しております。
ひとつは抗りん脂質抗体症候群といわれるグループです。このグループでは、初期流産、妊娠中毒症など起こしやすいといわれており、低容量アスピリン療法などが効果的とされています。もう一つのグループは遮断抗体という概念から考えられるグループで、夫リンパ球を使用して本人(妻)免疫する方法が有効であると言われております。この二つのグループは全く概念が違っておりますので、それぞれ、治療の対象となるかどうかの事前の検討が必要となります。
当院では免疫療法が必要かどうかを判断するために、リンパ球クロスマッチ試験を行っています。
これは、患者さん(妻)の血清中に夫リンパ球に対する抗体があるかどうかを調べる検査法の一つです。その結果により免疫療法を行い(通常は3回施行)、その後効果判定のためにリンパ球クロスマッチ試験を行います。一方、抗りん脂質抗体症候群であるかどうかは、いくつかの抗体(血液検査)の組み合わせで判定しています。この場合は低容量アスピリン療法や、漢方薬(柴苓湯)等が有効とされています。